ディープ・パープルは、1968年にイギリスで結成されたロックバンドです。ハードロックやヘヴィメタルの先駆者として知られており、数々の名曲や名盤を残しています。
ディープ・パープルの音楽は、独創的なギターとオルガンの掛け合い、力強いボーカル、複雑なリズムや構成などが特徴です。
ディープ・パープルのアルバムは、メンバーの変遷や音楽性の変化によって、マークIからマークVIIIまでに分類されます。今回は、ディープ・パープルのおすすめアルバムを14枚紹介します。
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- ディープ・パープルのおすすめアルバム14選
- 『ハッシュ』 – Shades of Deep Purple (1968年発表、第1期)
- 『詩人タリエシンの世界』 – The Book of Taliesyn (1968年発表、第1期)
- 『ディープ・パープル III』 – Deep Purple – (1969年発表、第1期)
- 『ファイアボール』 – Fireball(1971年発表、第2期)
- In Rock (1970) マークII
- Machine Head (1972) マークII
- Burn (1974) マークIII
- Stormbringer (1974) マークIII
- Come Taste the Band (1975) マークIV
- Perfect Strangers (1984) マークII
- The House of Blue Light (1987) マークII
- Purpendicular (1996) マークV
- Bananas (2003) マークVII
- Infinite (2017) マークVIII
ディープ・パープルのおすすめアルバム14選
ディープ・パープルのおすすめアルバム14選をご紹介します。
ちなみに、『ローリングストーン誌が選ぶ「歴代最高のアルバム」500選 | 2020年改訂版』では、残念ながらランクインしていませんでした。
『ハッシュ』 – Shades of Deep Purple (1968年発表、第1期)
ディープ・パープルのファースト・アルバムです。
当時はまだハードロックというジャンルが確立されていなかったため、このアルバムはサイケデリックロックやプログレッシブロックの要素が強く感じられます。
しかし、リッチー・ブラックモアのギターとジョン・ロードのオルガンが繰り広げる重厚なサウンドは、後のディープ・パープルの特徴となります。
このアルバムには、ジョー・サウスの「ハッシュ」やビートルズの「ヘイ・ジュード」などのカヴァー曲が収録されていますが、ディープ・パープル独自の解釈で演奏されています。
また、オリジナル曲では、「マンダレイ」というタイトルが付けられた「エイプリール」が印象的です。
この曲は、クラシック音楽や詩的な歌詞が取り入れられた壮大な組曲であり、ディープ・パープルの野心的な一面を示しています。
『詩人タリエシンの世界』 – The Book of Taliesyn (1968年発表、第1期)

ディープ・パープルのセカンド・アルバムです。
このアルバムでは、ファースト・アルバムに引き続きカヴァー曲とオリジナル曲が半々に収録されていますが、オリジナル曲ではよりハードロック色が強まっています。
特に、「ハード・ロード」や「ウェイティング」では、ブラックモアとロードの掛け合いが見事です。
カヴァー曲では、「リヴァー・ディープ・マウンテン・ハイ」や「ケンタッキー・ウーマン」などが有名ですが、「ウェイティング」は元々ニール・ダイアモンドの曲であることを知っている人は少ないかもしれません。
この曲は、ディープ・パープルが自分たちのスタイルに合わせて大胆にアレンジしています。
このアルバムのタイトルは、ウェールズの伝説的な詩人タリエシンに由来しています。
タリエシンは、古代ブリテンの歴史や神話を歌ったとされる人物であり、ディープ・パープルは彼の詩集からインスピレーションを得たと言われています。
『ディープ・パープル III』 – Deep Purple – (1969年発表、第1期)
ディープ・パープルのサード・アルバムです。
このアルバムでは、カヴァー曲は一切なく、全てオリジナル曲となっています。また、ハードロック色がさらに強くなり、ブラックモアとロードのプレイがより攻撃的になっています。
しかし、同時にクラシック音楽やジャズの影響も見られます。
このアルバムには、「チェイシング・シャドウズ」や「ララナイ」などのインストゥルメンタル曲が収録されていますが、これらの曲ではドラマーのイアン・ペイスの技巧が光ります。
また、「ブラインド」ではロードがハープシコードを演奏し、「エミレッタ」ではロッド・エヴァンスとニック・シンパーがコーラスを担当しています。
このアルバムは、第1期ディープ・パープルの最後の作品となりました。
その後、エヴァンスとシンパーが脱退し、イアン・ギランとロジャー・グローヴァーが加入しました。これにより、ディープ・パープルは第2期へと移行し、ハードロック界における最も成功した時代を迎えることになります。
『ファイアボール』 – Fireball(1971年発表、第2期)
ディープ・パープルの5thアルバムです。このアルバムは、4thアルバム『イン・ロック』で確立したハードロック路線をさらに発展させたものです。
しかし、同時に実験的な要素も多く含まれています。例えば、「ファイアボール」ではペイスがダブルベースドラムを使用し、「ストレンジ・カインド・オブ・ウーマン」ではギランがブラックモアのギターを模倣するボーカルを披露しています。
このアルバムには、「ディーモンズ・アイ」や「ファールズ」などの重厚な曲だけでなく、「エニウェイ・ユー・ウォント・ミー」や「ノー・ワン・ケイム」などの軽快な曲も収録されています。
また、「ザ・マレー」ではカントリー風の曲調やコメディ風の歌詞が取り入れられています。
このアルバムは、ディープ・パープルの多様性や創造性を示す一枚と言えるでしょう。
しかし、このアルバムはメンバー間の対立や不満も生んだと言われています。特にブラックモアは、実験的な要素に不満を持っていたようです。
In Rock (1970) マークII

ディープ・パープルの代表作のひとつであり、ハードロックの金字塔とも言われるアルバムです。
イアン・ギランとロジャー・グローヴァーが加入したマークII編成で制作された最初のアルバムで、前作までのサイケデリックな要素を捨てて、重厚で激しいサウンドに変貌しました。
オープニングの「スピード・キング」や「チャイルド・イン・タイム」、「ブラック・ナイト」など、ディープ・パープルの代表曲が収録されています。
Machine Head (1972) マークII
ディープ・パープルの最高傑作とも評されるアルバムです。
スイスのモントルーで録音されたこのアルバムは、全曲が名曲と言っても過言ではありません。
特に「スモーク・オン・ザ・ウォーター」は、ロック史に残る名曲であり、そのリフは誰もが知っているでしょう。他にも「ハイウェイ・スター」や「レイジー」、「スペース・トラッキン」など、ディープ・パープルの魅力が詰まったアルバムです。
Burn (1974) マークIII
ディープ・パープルの歌手として有名なイアン・ギランとベーシストのロジャー・グローヴァーが脱退し、デヴィッド・カヴァデールとグレン・ヒューズが加入したマークIII編成で制作されたアルバムです。
このアルバムでは、ブルースやファンクなどの要素が取り入れられ、より多彩なサウンドになりました。
タイトル曲の「バーン」や「ミストリーテッド」、「ストームブリンガー」などが収録されています。
Stormbringer (1974) マークIII
マークIII編成で制作された2枚目のアルバムです。
前作よりもさらにブラックミュージックの影響が強くなり、ファンクやソウルなどの要素が目立ちます。
一方で、「レディ・ダブル・ディーラー」や「ソルジャー・オブ・フォーチュン」などのハードロック調の曲もあり、ディープ・パープルの多様性を示しています。
Come Taste the Band (1975) マークIV

ディープ・パープルのギタリストとして有名なリッチー・ブラックモアが脱退し、トミー・ボーリンが加入したマークIV編成で制作されたアルバムです。
このアルバムでは、ハードロックから離れて、ジャズやファンクなどの要素が強調されました。
トミー・ボーリンの個性的なギタープレイやグレン・ヒューズのソウルフルなボーカルが光ります。
特に「ゲッティング・タイター」や「ユー・キープ・オン・ムービング」などは、ディープ・パープルの新しい方向性を示しています。
Perfect Strangers (1984) マークII
ディープ・パープルは、1976年に解散しましたが、1984年にマークII編成で再結成しました。このアルバムは、再結成後の最初のアルバムであり、ディープ・パープルの復活を告げる作品です。
このアルバムでは、70年代のハードロックと80年代のシンセサイザーを融合させたサウンドになりました。
タイトル曲の「パーフェクト・ストレンジャーズ」や「ノッキング・アット・ユア・バックドア」などが収録されています。
The House of Blue Light (1987) マークII

再結成後の2枚目のアルバムです。このアルバムでは、前作よりもよりハードでエッジの効いたサウンドになりました。
特に「バッド・アティテュード」や「コール・オブ・ザ・ワイルド」、「ブラック&ホワイト」などは、ディープ・パープルの攻撃的な一面を見せています。
Purpendicular (1996) マークV
ディープ・パープルは、1993年にリッチー・ブラックモアが再び脱退し、スティーヴ・モーズが加入しました。
このアルバムは、スティーヴ・モーズ加入後の最初のアルバムであり、ディープ・パープルの新たなスタートを告げる作品です。
このアルバムでは、スティーヴ・モーズのフレッシュでカラフルなギタープレイや、メンバー全員が作曲に参加したことで、より自由で実験的なサウンドになりました。
特に「サムタイムズ・アイ・フィール・ライク・スクリーミング」や「ローザナズ・グッドタイム」、「ピクチャー・オブ・インノセンス」などは、ディープ・パープルの新しい魅力を見せています。
Bananas (2003) マークVII
ディープ・パープルは、2002年にキーボード奏者のジョン・ロードが引退し、ドニー・エイリーが加入しました。
このアルバムは、ドニー・エイリー加入後の最初のアルバムであり、ディープ・パープルの変化を象徴しています。
バンドは、新しいメンバーの影響を受けて、よりモダンでエキサイティングなサウンドに挑戦しました。
アルバムのタイトルは、ドニー・エイリーがスタジオに持ってきたバナナの束に由来すると言われています。
アルバムには、ハードロックやブルースロックの要素が満載の「House of Pain」や「I Got Your Number」、ポップでキャッチーな「Haunted」や「Never a Word」、プログレッシブで実験的な「Bananas」や「Doing It Tonight」など、多彩な楽曲が収録されています。
ディープ・パープルの新たな一面を見せたこのアルバムは、ファンや批評家から高い評価を得ました。
Infinite (2017) マークVIII

ディープ・パープルは、2017年に50周年を迎えるにあたり、最後のワールドツアー「The Long Goodbye Tour」を開始しました。
このアルバムは、そのツアーに先駆けてリリースされたものであり、ディープ・パープルの歴史における重要な作品です。
アルバムには、オーケストラと共演した壮大な「Time for Bedlam」や「The Surprising」、クラシックなハードロックナンバー「All I Got Is You」や「Hip Boots」、ファンキーでグルーヴィーな「Get Me Outta Here」や「Johnny’s Band」など、ディープ・パープルの持ち味が存分に発揮された楽曲が収録されています。
また、ボーナストラックとして、ザ・ドアーズの「Roadhouse Blues」のカバーも収められています。ディープ・パープルは、このアルバムで自分たちの音楽的な遺産を確固たるものにしました。
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